NPO法人 日本酸素セラピー協会


 体に必要な酸素とは?


       ◆ 酸素が足りている人は活動的
       ◆ 酸素はエネルギーを生み出す源
       ◆ 大量の酸素が細胞を活性化する
       ◆ 細胞が元気だと体は若返る
       ◆ 酸素不足の人は太りやすく痩せにくい
       ◆ 基礎代謝が高まり低体温も改善される
       ◆ 脳と酸素
       ◆ 心肺機能と酸素
       ◆ 現代人はやせにくい体質     


 酸素不足が及ぼす弊害


       ◆ 活性酸素は老化や生活習慣病の原因
       ◆ 体内には活性酸素を除去するしくみがある
       ◆ 酸素の吸いすぎは起こらない     





 酸素が足りている人は活動的

 
 みなさんは「有酸素能力」という言葉を聞いたことがないでしょうか?
 有酸素能力とは、簡単にいえば酸素を体内にどれだけ取り入れることができるか、
 という能力のことで、一人ひとりの最大酸素摂取量によって知ることが出来ます。

 止まっている状態から体を動かしはじめると、酸素の摂取量は徐々に増加していきます。
 体を激しく動かせば、摂取量はさらに高まります。ところが、限界までいくと、
 それ以上激しく体を動かしても酸素の摂取量は増えません。
 このときを最大酸素摂取量といいます。

 最大酸素摂取量が高いということは、有酸素能力が高く、運動能力も高いということです。
 つまり、体内に酸素を大量に取り込める人ほどスタミナが長続きするといってもいいのです。 
 と、いうことは、肺の機能が高く、心臓の動きも強いということにつながります。

 さらに、酸素が筋肉に十分に供給されれば細胞のすみずみにまで行きわたることになるので、
 ブドウ糖や脂肪がよく燃え、乳酸などの疲労物質も増えません。
 したがって体はいつも若々しく、活動的に保てるということでもあるのです。


 ※最大酸素摂取量とは、心臓と肺の能力をいい、1分間に何リットルの酸素を
  体内に取り込めるかを示す数値。一般に体重1Kgあたりに換算する。
  吸収できる酸素は燃料の役目を果たすため、吸収力が多いほど持久力がある。

 酸素はエネルギーを生み出す源

 
 私たち人間は、数分間空気を吸わなければ死んでしまうといわれています。
 空気といっても、重要なのは酸素で、体が酸素不足になると、痛みやしびれ、疲労など、
 さまざまな症状となって現れます。
 頭がもうろうとなったり、最後は心臓が止まったりして生命を失うのです。
 このように、酸素が欠乏するということは、生命にかかわる重大な問題です。

 私たちが呼吸から取り入れた酸素は、血液によって各細胞に送られます。
 そのさい、血液中のヘモグロビン(赤血球を構成するタンパク質)が
 肺の血管内で酸素をキャッチして、全身へ運びます。

 新鮮な酸素を大量に吸えば吸うほど細胞は元気に働いて、エネルギーを作り出してくれるのです。



     酸素濃度     体に現れる症状
      21 %  :  通常、空気中の酸素濃度
      18 %  :  安全の限界、思考能力の低下、連続換気が必要、酸素マスクが必要に
      16 %  :  脈拍数・呼吸の増加、頭痛、吐き気、悪寒
      12 %  :  めまい・筋力低下・吐き気
      10 %  :  顔面蒼白、意識不明、嘔吐
       8 %  :  一瞬のうちに失神、昏睡


 大量の酸素が細胞を活性化する


 私たちの体内では、細胞の一つひとつに含まれているミトコンドリアという工場で
 エネルギーが生み出されています。エネルギーの原料になるのは、ブドウ糖や脂肪などで、
 それらに酸素が反応することで燃焼し、エネルギーを生み出すのです。

 ミトコンドリアという工場は、人間の体を構成する60兆個もの細胞一つひとつの中に
 存在しています。新鮮な酸素が豊富に細胞内に送り込まれればブドウ糖や脂肪はよく燃えます。
 その結果、ATP(アデノシン3リン酸)というエネルギーのもとが作り出されます。

 このATPは、人体を動かす電池のようなもので、電池、すなわちATPがなくなれば、
 私たちは体をうごかすことも考えることもできなくなってしまいます。
 ATPが厄介なのは、体の中に溜めておけないことです。

 したがって、細胞は休みなくこのエネルギーのもとであるATPを作り続けなければならないのです。
 それには豊富な酸素が欠かせません。


 細胞が元気だと体は若返る


 酸素不足で、ブドウ糖や脂肪などの燃焼効率が悪かったら、人間の体はどうなるのでしょうか。
 乳酸などの燃えカスが残って疲労感が続いたり、全身の新陳代謝(古いものと新しいものの
 入れ替わり)が衰えたりして、細胞は老化してしまいます。同時に、エネルギーを効率よく
 生み出せないのですから、元気に働くことができません。
 つまり、毎日を明るく活動的に生きるためには、酸素を十分に取り込んで、エネルギーを
 効率よく生み出す必要があるのです。

 ところで、人間はなぜ老いるかというと、ひとつには、細胞で作りだすエネルギー効率が
 悪くなるからです。一つひとつの細胞が元気よく働けば、エネルギー不足は起こりません。
 細胞が元気なら、老化をずっと遅らせることはできるはずです。

 いつの世も「不老不死」は、人間の永遠の望みです。それには酸素をたっぷりと体内に
 取り入れて栄養素の燃焼を高め、一つひとつの細胞を若返らせる必要があるのです。

 酸素不足の人は太りやすく痩せにくい


 私たちは毎日ものを食べ、その栄養素が酸素と反応して燃焼することで、エネルギーが
 生み出されます。

 現代人の食事は、昔の日本食から欧米風の油っこくてカロリーの高い食べ物に変わりました。
 おまけに運動不足が重なって、必要以上の糖分や脂肪が体内に蓄積されるようになり、
 肥満の人が増えています。

 みなさんのなかには、エネルギーを作り出す材料が豊富にあるから、太っていた方が
 いいと思う人がいるかもしれません。
 しかし、運動をして酸素を体内に十分取り込まないと、燃焼効率が悪くなるのです。
 そのため、燃え残ったブドウ糖や脂肪は体脂肪として蓄積され、ますます肥満が進行して、
 高血圧・糖尿病・高脂血症 (血液中のコレステロールや中性脂肪が異常に増えた状態)
 など、生活習慣病の原因になります。

 運動を十分にして、糖質や脂肪を燃やしてしまうことができれば、余分な脂肪は体内に
 蓄積されることはありません。ところが、運動をあまりしないために筋肉が衰え、
 エネルギーを作り出す力も衰えてきます。

 人間の筋肉の70%は下半身に集中しています。
 そして、その下半身の筋肉だけで大半のエネルギーが作り出されているので、
 運動は欠かせません。


 基礎代謝が高まり低体温も改善される


 細胞が活発に働くということは、ブドウ糖や脂肪の燃焼効率が高いということです。
 そうすれば体温は高く保たれ、安静時のときでも基礎代謝が高いため、脂肪などはよく
 燃えるのです。

 基礎代謝とは、体を横たえているときでも使われているエネルギーのことです。
 人間は、寝ているときでも呼吸をしたり内臓が働いていたりします。つまり、
 生きていくために最低限必要なエネルギーが基礎代謝で、基礎代謝が高ければ、
 寝ていても糖や脂肪が燃えやすくなっているのです。

 従って基礎代謝の高い人は太りにくく、やせやすいという特徴があります。

 人間の平熱は、一般に36.0度~36.5度です。この平熱の範囲内で体の代謝、すなわち
 化学反応が行われているのです。ところが、低体温の人は、この化学反応が順調に
 行われません。そのため、エネルギー不足で疲れやすかったり、新陳代謝が悪いために
 肌のトラブルや冷え症、肩こり、頭痛など、さまざまな体調不良が起こったりするのです。
 例えば、おなかの腹膜の一部である腸間膜には、リンパ管など、免疫にかかわる重要な
 組織があります。

 低体温のためにおなかが冷えていると、免疫力が衰え、アレルギーやガンなどの病気に
 かかる危険度が高くなります。
 かつて野口英世医学博士は「すべての病気の原因は、酸素の欠乏症である」と語ったと
 いわれています。


 脳と酸素


 脳は私たちが生きていくうえでの中枢センターです。その脳は、約145億個の脳細胞で
 できており、20歳を過ぎれば、毎日10万個ずつ減っていくといわれています。
 そして、脳は、人体のなかでも、最も酸素の消費量が多い臓器です。というのも、
 筋肉は使わなければ酸素の消費量が大きく減ります。

 しかし、脳の場合は常に酸素が必要で、酸素補給のために脳に循環する血液は1日約2000L。
 ドラム缶でなんと10本分にも相当します。 この血液量は、体全体の400倍にも相当します。
 それだけ、脳は大量の」酸素を必要としているのです。
 もしも、脳に酸素の供給が途絶えたら、3~4分で脳細胞は破壊され、再生することが
 できなくなります。


 心肺機能と酸素


 胚には、約3億個以上の肺胞があるといわれています。
 肺胞は、ブドウの房のようになっており、空気が入れば大きくふくらみます。
 そして、肺胞から血管に取り入れられた酸素は、心臓のポンプ作用で全身に送られます。
 動脈硬化のない血管であったり、心臓の動きが活発であったりすると酸素をたっぷり
 含んだ血液は末梢の細い血管まで供給されます。

 ここで驚くのは、私たちが活動しているときでも眠っているときでも、1日に約10万回も
 拍動を繰り返している心臓のエネルギー源は、酸素だけだということです。したがって、
 心臓が全身に効率よく血液を送り出すためには、心肺機能が正常でなければなりません。

 ところが、現代人は、動物性脂肪の摂り過ぎなどで血液がドロドロになっていて、
 コレステロールが血管の内壁にこびりつき、血液の通り道が狭くなっている人が多く
 なっています。このような血液や血管の状態では、心臓から送り出された血液は全身に
 酸素を送り届けることができません。

 新鮮な酸素を待ちわびている各内臓では、ドロドロに粘った血液からは働きに必要十分な
 酸素を受け取ることができなくなり、内臓の働きも衰えてくるのです。



 現代人はやせにくい体質


 脂肪は、実は人体にとってとても重要です。
 狩猟によって食糧を確保していた古代人は、毎日、豊富な獲物を手に入れていたわけでは
 ありません。
 何日も獲物を捕れないときには、体内の脂肪によって、生命が維持されていたのです。
 したがって、人間にとって脂肪とは、生命を維持するためになくてはならないエネルギーを
 作り出す基本的な栄養素なのです。
 それだけ大切な脂肪でも、体内に余分に蓄積されると、肥満はもちろん、高血圧・糖尿病・
 動脈硬化などを引き起こす要因になります。

 現代人は、1日の摂取カロリーを200~300キロカロリーも余分に摂りすぎているといわれて
 います。当然、脂肪も溜まりやすくなっています。

 体重60kgの人が時速6キロの速さでウォーキング(有酸素運動)すれば、1分間に約6キロ
 カロリーが消費されます。余分な200キロカロリーを消費しようと思えば、毎日、40分近く
 歩き続けなければなりません。しかし、カロリーの摂りすぎは毎日続くのですから、やせたいと
 思ってもなかなかやせられないことになってしまいます。

 ところが、酸素を体にたっぷり取り入れることができれば、脂肪の塊の中にある脂肪分解
 酵素のリパーゼの働きを活発にして、30分運動したのと同じくらい脂肪をはがすことが
 わかっているのです。
 しかも、酸素が十分にあれば、はがれた脂肪を完全に燃焼してくれます。

 そして、酸素濃度が2%上がれば、脂肪は約2倍も減ることがわかっています。こうしたことを
 見ても、有酸素運動が体にとっていかに大切であるかがわかると思います。


 活性酸素は老化や生活習慣病の原因


 私たちが呼吸で取り込んだ酸素のうち、約2%は活性酸素に変化するといわれています。
 その理由は、活性酸素の強い酸化力は、人間の生命維持に必要だからなのです。

 例えば肝臓においては、有害物質や毒物を解毒する時に活性酸素の酸化力を利用したりします。

 ところが、体内で活性酸素が大量に発生すると、正常な細胞まで傷つけてしまいます。
 例えば、細胞が傷つくと、細胞の核にある遺伝子(遺伝をつかさどる本体)が突然変異を起こし、
 ガンの芽が生まれます。

 こうしたことは、体内のあらゆる場所で起こっています。血管の内壁に溜まったコレステ
 ロールが酸化されると、動脈硬化の原因になります。すい臓が侵されると、糖尿病が引き起こ
 される、といった具合です。脳細胞が侵されると、脳梗塞やボケも起こりやすくなってきます。


 体内には活性酸素を除去するしくみがある


 活性酸素は、なぜ発生するのかというと、生活環境の変化によるところが多いのです。
 紫外線・大気汚染・車の排気ガス・食品添加物・農薬・電磁波・ストレス・喫煙・大量の飲酒・
 激しすぎる運動など、いろいろな要因があります。

 では、それだけ体内では活性酸素が発生しているのに、どうして私たちは元気に暮らしていける
 のでしょうか。
 それは、体内には活性酸素の害を消し去るしくみがあるからです。
 私たちの体内にはスカベンジャー(掃除人)といって、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)
 やカタラーゼ、グルタチオンなどの酵素があり、その酵素が過剰な活性酸素の攻撃から身を
 守ってくれているのです。ほかにも、抗酸化物質と呼ばれ、体内で作られるものと体外から
 取り入れるものがあります。

 体外から取り入れるものには、βカロテンやビタミンA・C・E、ポリフェノールなどがあり、
 活性酸素を除去する抗酸化物質として知られています。

 また、細胞内にも活性酸素を除去する物質があり、それらが働いて私たちの体を活性酸素の
 害から守ってくれているのです。


 酸素の吸いすぎは起こらない


 人間は、呼吸をする限り酸素を取り入れているわけですから、活性酸素の害にさらされて
 いることになります。しかし、体内では、活性酸素を除去するしくみが働いているので、
 心配にはおよびません。